麻美が中学生の頃だった。下着で肌が締め付けられる感覚が嫌いだった彼女は、思い立ってショーツを脱いで寝床に入ってみた。開放感は味わえたものの、強い罪悪感を感じてなかなか眠れず、すぐにやめた。
同じ事を次にしたのは、大学生になってから。一人暮らしを始めて、その時の気持ちよさを思い出した。性的なことに対して数年前ほどナーバスではなくなっていたので、ノーパンで寝てみた。
ぐっすり眠れて、実に気持ちのいい目覚めだった。それからは、生理の期間以外は夏は裸で、冬は素肌にパジャマを着て寝はじめた。
下着を穿かない気持ちよさは、男性には実感しにくいかもしれない。ブリーフやトランクスは、もともと締め付けが強くないし、パンツがないとブラついて落ち着かないんじゃないかと思う。
それに比べて女性の下着はサイズがタイトだし、ぴったりと肌に貼りつく。バストが垂れては困るから、ブラは出来るだけしているが、やがて自室ではショーツを穿かずに過ごすようになった。
それでも、教師になりたての頃は、外出する時は穿いていた。それが、ひざより長いスカートならいいと思えるようになり、ミニスカートでも見えなきゃ問題ないと考えるようになった。
職場である学校にもノーパンで来るようになったのは、教師3年目である今年の初めからだ。短いスリップの中には何もない状態で、卒業式や入学式に出席した時は、さすがにドキドキした。
極端なミニスカではないものの、姿勢や角度によっては、太ももの付け根近くまで見られているのを感じることはある。しかし、自分はその奥を見せたいわけじゃないし、見る側の心が卑しいんだと自分を説き伏せている。
進路相談室は、別棟の三階にある。すれ違った男生徒たちが階段の下で振り返る。こちらを見上げる視線を、手にしたファイルをさりげなくお尻に当てて遮る。
股間の吹き抜ける夏の風を素肌に感じながら、大股で廊下を歩く。進路相談室に中に入ると、三つあるブースの真ん中に「使用中」のプレートが出ていた。
「ごめんなさい。お待たせしたかしら、結城君」
麻美は手前に引いた椅子に、男生徒の端正な顔を見ながら腰を下ろす。結城拓哉は、視線をテーブルに落としたままで会釈を返してきた。
「で、今日はどんな相談?」
今のクラスを受け持ってから三ヶ月余り。何人かの生徒からは進路相談を受けたが、成績優秀な拓哉からはこれが初めてだ。

